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【LBOについて】
ソフトバンクが大攻勢にでましたね。
『ソフトバンクがボーダフォンの日本法人をLBOで買収。』
昨日、ニュースを見て驚きました。ドコモもKDDIもますますウカウカしてられない状況になってきました。

ソフトバンクと英ボーダフォンの交渉はまだ継続中。
なにしろ英ボーダフォンがJフォン(旧日本のボーダフォン)を買収したときの額が1兆数千億円らしいですから、当然英ボーダフォンとしてはそれ以上の額で売却したいはずです(儲けたいですもんね^^)。
1兆5千億円〜2兆円の間で取引されると思います。

でもここでひとつ問題があります。
ソフトバンクは先行投資がかさんでいるため、現在は赤字の会社。
ソフトバンクの総資産は現在約1兆6千億円。
2兆円なんてとてもじゃないけれど用意できるわけがないです。

『そんな2兆円ものお金をどこから用意するのか?』

普通なら用意なんてできませんが、唯一調達可能な手法があるんです。
それがLBO(レバレッジド・バイ・アウト)という手法です。

このLBOという言葉を覚えてるでしょうか。
ライブドアがニッポン放送の買収に成功したあと、フジテレビまで買収してしまおうという流れになりました。でもニッポン放送の買収にお金を使い尽くしたライブドアにとってフジテレビまで買収する余裕はありません。
そこで噂されていた手法がLBOです。

【LBOとは?】
『買収先の企業が保有している資産を担保に買収資金を借り入れて企業買収してしまう手法。』

買収先の企業の持つ資産をあてにして資金を調達する手法です。
ライブドアとフジテレビの話でたとえるなら、
『ライブドアがフジテレビの資産を担保に資金を調達して、フジテレビを買収してしまおう。』こんな感じです。

『あれ?なんかおかしくない?』って思った方は正しいですよ。
LBOというのは、まだ自分たちの物ではない物(これから奪う物)を担保に資金を調達するというむちゃくちゃな手法です^^;(それで見事奪うことができたら、少しずつ資金を返済していくわけです。)
アメリカでは1980年代にこの手法が大ブームになり、一時マネーゲーム化していた時期があり、問題となっていました。なにしろLBOで買収した後は企業を解体→売却といったようなことが平気で行なわれていた時代です。モラルさえも忘れ去られてる時代だったようです。(詳しくは映画「ウォール街」を見てもらえるとわかると思います。この映画は1980年代のアメリカのマネーゲームを批判した作品です。1987年製作


LBOが問題となるのはその企業買収がたいてい敵対的買収という形になってしまうからです。ライブドアとフジテレビのときは敵対関係でしたね。フジテレビは連日にわたってライブドア批判をしてましたから。


しかし、
今回のソフトバンクとボーダフォンの場合は敵対的買収ではないようです。
まず携帯電話の新規参入が認められているソフトバンクにとって携帯電話会社は喉から手がでるほど欲しい存在であること。
それに対して英国ボーダフォンは足を引張る日本ボーダフォンを売却してしまい、日本から撤退しようと考えていたこと。(日本ボーダフォンはドコモ、KDDIに負けてましたからね。)

そんなお互いの思惑が合致して今回の事業提携・買収話になっていったんだと思います。ただ問題はソフトバンクの買収資金。
時価総額約3兆5千億円のソフトバンクにとって買収費用2兆円はとてもじゃないけれど用意できません。

ここでLBOの登場です。
ソフトバンクは買収先の日本ボーダフォンを担保に各金融機関から資金を調達することになります。すでにみずほコーポレート銀行、ドイツ銀行、米ゴールドマン・サックスがまとめ役となり、各金融機関から資金を調達するというニュースが流れてました。
ソフトバンクと英国ボーダフォンの話し合いのうえでのLBO実行ですから、資金調達だけが問題です。この買収話は形式としては友好的買収、LBOもやり方によっては友好的買収になりえるようです。
今まではLBO=敵対的買収とばかりに思ってた自分です、この買収話が上手くいけば見方が変わりますね。



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