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初心者の為のコラム>量的緩和政策 量的緩和政策(2006/3/4up) 「金融引き締めなんかじゃないと思ってます。」 by 管理人 量的緩和政策とは何なのか? これを理解するには日本銀行がいったいどんな仕事をしているのかを知らないと理解できないと思います。 日本銀行の仕事は、一般に『銀行の銀行』と呼ばれています。日本銀行と取引できるのは一般の銀行だけです。一般の銀行は日本銀行にお金を預けたり、または借りたりしています。 また、日本銀行は日本の金利全体をコントロールするということも行なっています。公定歩合というのを聞いたことあるでしょうか? 日銀が一般の銀行に貸し出す際にかかる利率のことです。 その公定歩合を調節しているのが日銀です。 公定歩合を低く下げれば、一般の銀行は日銀からお金を借りやすくなります。低い金利で借りたお金を企業などに貸し出すと、企業はその新資金で工場を作ったり、人を新たに雇ったりできますから、景気を刺激させることができます。 日銀の仕事はこういった風に、公定歩合を上下調節して景気をコントロールすることでした。 しかし、バブル崩壊後は公定歩合をいくら下げても景気は下を向くばかり。 気づいたときには金利は限りなくゼロに近い数字となってしまいました。 金利をマイナスにすることはさすがにできません。 つまり公定歩合による景気のコントロールは完全に行き詰ってしまったんです。 そこで登場してきたのが2001年3月より始められた量的緩和というものでした。 今までは公定歩合という『金利を目安に調節』していましたが、量的緩和政策では『資金の量を目安に調節していこう!』となったんです。 具体的には、各銀行が日銀に持っている当座預金の口座に日銀が資金をどんどん提供するという形です。 「資金提供の制限を緩和して量を増やす。」 つまり、量的緩和ということになります。 ではどのようにして資金をどんどん提供していったのか? 形式的には、一般銀行から手形や債券などといったものを日銀が買い上げて、その代金を日銀にある一般銀行の当座預金に振り込んだんです。 その結果、一般銀行に資金が注ぎ込まれ金余り状態になります。一般銀行はその余っているお金を遊ばせておくのもあほらしいので企業に貸し出します。資金を得た企業は設備投資に走り、新たな雇用が生まれて景気を刺激することができます。 ここでひとつ問題があります。 どうやって日銀は手形や債券を買うお金を用意したのでしょうか? あなたならどうやって用意しますか? 答えは簡単、 『新しくお金を刷ったんです』 当初の計画では5兆円ほど当座預金に積み上げる予定でしたが、現在なんと30兆円〜35兆円まで膨れ上がりました。これだけあれば、一般の銀行もじゃんじゃん企業にお金を貸し出すことができます。 『だって当座預金からお金を借りたとしても 金利はほぼ0%のままなんですから(ゼロ金利政策継続中)』 現在の一般銀行の業績好調の裏には、一部このような背景から成り立っているということを理解しておかないといけませんね。ただ量的緩和政策が上手くいったから、日本の経済が立ち直ったのかというとそういうわけでもありません。 というのも量的緩和を施行した当時、いくら資金がジャブジャブ入ってきても一般銀行は不良債権問題でそれどころじゃなかったんです。 ですから「量的緩和政策が成功したから日本経済が好調になった。」とは一概に言えないと唱えている専門家もいます。事実、不良債権処理が進むとともに日本経済は活力を取り戻し始めました。量的緩和だけが日本経済をよくした理由ではないということを認識しておくべきですね。 ※ですから量的緩和政策を解除しても何も問題ないというのが自分の答えです。量的緩和解除を実行したとしても、いきなりゼロ金利まで解除するということは日銀もできないですから、いまと同じ状態が続くだけです。 ゼロ金利が解除されないかぎり問題はないと思います。 ただ、外国人の目には『金融引き締めに走ってるな。』とうつるでしょうね。 円高に進んでいくかもしれませんね。 【追記】(2006/3/9up) 結局解除になりましたね。金利政策は依然ゼロ金利政策を貫くようですので、経済に影響はないと考えられます。市場の反応はどうなるかはわかりません。株価が上昇していくのか下降していくのか、どちらの場合になったとしてもリスク管理だけはきっちりしておいたほうが良さそうです。 ←TOPへ LBOについて→ |
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